人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

2002-01-01から1年間の記事一覧

人工知能における「読んでおくべき本」

人工知能における「読んでおくべき本」(PDF)という松原仁さんの記事を見つけた。上の『マインズ・アイ』も紹介されていた。あと、教科書として読んでいる『エージェントアプローチ人工知能』『AI事典』なんかも紹介されていた。

マインズ・アイ

チューリングテストについて考えたこと(2002/6/10)で他人が知能を持っているかどうかは、見かけからしか判断できない。機械もまた同様ということを書いたが、『マインズ・アイ』という本にも同じことが書いてあった。この問題は「他者の心の問題(他我問題…

ブレイスウェル・ロボット

人類の探査の手が恒星間宇宙まで伸びていくと、もはや有人探査は問題外であり、すべてロボットに任せる必要がある。地球からの遠隔操作はできないため、それらのロボットは人間に匹敵する知能を持っていなければならない。ブレイスウェル博士は1960年、この…

計算主義

考えるとは計算することである、と私は解する。計算するとは、加算された合計を集めたり、あるものかが他から減算されたとき何が残っているかを知ることである。つまり、考えることは足し算や引き算と同じなのである。…したがって、すべての思考はこれら二つ…

なぜ人工知能は失敗に終わらなければならないのか?

ドレイファスのAI批判のまとめは、この本の訳者がうまく表している。 離散的ビットを用いて明示的に書かれた規則(プログラム)というデジタル・コンピュータの原理に基づく人間知能の理解は、伝統的世界観、つまりは要素主義プラス計算主義の上でのみ成り立…

錬金術と人工知能

コンピュータには何ができないか―哲学的人工知能批判 を読み終わった。少し難しいがなかなか面白かった。著者のドレイファスは「人工知能は錬金術に似ている」という発言をしたが、それについて面白い文章が載っていた。まずは、人工知能研究者のファイゲン…

チューリングテストについて考えたこと

チューリングテストととは、「機械は考えることができるか」という問いに対するテスト法として、1950年アラン・チューリングが提案した。隔離された二つの部屋の一方に端末と質問者、もう一方に機械または人間を置き、端末を通じた対話によって質問者は相手…

ゼウスの頭からアテナが十分に成長した姿で生まれたように

コンピュータには何ができないか―哲学的人工知能批判 の一節。 ファイゲンバウム、サイモン、ミンスキー、ワイゼンバウム、その他の人々によって今日定義されているかぎりでは、人工知能は完全な成人の知能を生み出す試みであるように見える。ちょうど、ゼウ…

脳を創る

理研の「脳を創る」という研究はAIとは少し違うみたい?ニューラルネットに近いのだろうか?でも研究者の方は人工知能学会にもよく論文を提出しているが。ちょっと見たところでは、ハードウェアに近いような気がする。学習と記憶などを対象としているみたい…

第五世代コンピュータ計画

第五世代コンピュータ計画というのが、日本の国家プロジェクトとしてあったらしい。アメリカなども日本に追い越されないように、新しいプロジェクトを起こすほどだったそうだ。当時の高校の英語の教科書にも載っていたが「考えるコンピュータ(thinking mach…

コンピュータには何ができないか

コンピュータには何ができないか―哲学的人工知能批判作者: ヒューバート・L.ドレイファス,Hubert L. Dreyfus,黒崎政男,村若修出版社/メーカー: 産業図書発売日: 1992/04メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (14件) を見るドレイフ…

人工知能ができない理由

人工知能には強いAIと弱いAIという2つの立場がある。「知的であるかのように行為する機械を作れるか?」という問いに対して、できるという主張を弱いAIと言う。一方、知的に行為する機械は本物の、意識的な心を持っているという主張を強いAIと言う。おのおの…

機械には決してXができない

A. M. Turing: Computing Machinery And Intelligence, Mind, Vol.59, pp.433-460, 1950.チューリングテストを提案したチューリングさんの論文に「機械には決してXができない」とXの例を列挙している部分がある。 親切であること、機知に富むこと、美しいこ…

ネットワークを渡り鳥するプログラム

下原勝憲: 人工生命と進化するコンピュータ下原さんの論文に面白い話が載っていたので引用。 現在、我々は、ティエラをネットワーク型に拡張し、インターネットなど地球規模のコンピュータ・ネットワーク上でのソフトウェア進化の実験を進めている。世界中の…

知性とは何か?

人間以外のものを知性的と呼ぶことは、人間の尊厳を汚すことになるのではないかという議論がある。人間が宇宙の中心であるという考えを変えなければならなくなるのがこわいのだ。だが、イルカや鯨、猿、犬、猫などが知的であることはまちがいない。知性とは…

映画 A.I.

SF

A.I. [DVD]出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ発売日: 2003/12/06メディア: DVD購入: 1人 クリック: 25回この商品を含むブログ (61件) を見るを見た感想。ますますAIが誤解されそうな内容だった。そのものずばりAIなんて名前は付けないでほしかった…

人工知能に興味を持ったきっかけ

直接研究とは関係ないが回顧録。内省してみると、いつからAIに興味を持ったのか覚えていない。初めてこの言葉を目にしたのは、ドラゴンクエストIVというゲームで、キャラクタ—が思考ルーチンを持って勝手に行動してくれることをAIと宣伝していた(大げさ)。…

考えるコンピュータ 人間の脳に近づく機械

考えるコンピュータ―人間の脳に近づく機械作者: R.C.シャンク,石崎俊出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 1985/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る1985年の古い本。この時代はAI全盛期?でエキスパートシステムを称えた本やAIは何でも…

応用を指向した人工知能基礎研究

形式と内容-内容指向人工知能研究の勧め-(2002/5/9)の続き。エンジニアリングへの応用:研究と現場の溝を越えて, 人工知能学会誌, Vol.14, No.3, pp.398-401というAIの工学的応用に関する座談会の記事を読んだ。今は、「人工知能氷河時代」と言われ、人工…

ロボット工学三原則 by Issac Asimov

SF

第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に害を及ぼしてはならない。 第二条 ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。ただし、与えられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでは…

形式と内容-内容指向人工知能研究の勧め-

「AIマップ-形式と内容-内容指向人工知能研究の勧め-」へのコメントと回答という論文(人工知能学会誌, Vol.11, No.1)を読んだのだがとても興味深かった。人工知能研究のあるべき姿みたいな内容。今後の研究姿勢としても考える価値があることなので記録して…

AI事典

という本を見つけた。AI 事典 第2版作者: 土屋俊,中島秀之,中川裕志,橋田浩一,松原仁,大澤幸生,高間康史出版社/メーカー: 共立出版発売日: 2003/03/18メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (7件) を見る読んでみたら、AIで使われる言葉や概…

スモールワールド現象

R. Alvertらは、WWWの(N=)8x10^8ページのリンク関係を調べ、ネットワークの直径を求めた結果、D=18.59と報告している。これは、任意の2ページ間を19クリックで到達できることを意味している。このように、ネットワークの要素数Nと直径Dのオーダに、O(D) …

Web Intelligence

今日、5月号の人工知能学会誌が届いたのでぱらぱら見てみたら、Web Intelligence という特集があった。武田英明, 知性のネットワークとしてのWWW―Webインテリジェンスに関する一考察―WWWは巨大な情報ネットワークであり、情報学のあらゆる分野(人工知能も含…

Lisp

を勉強した。本は、WinstonとHornの『LISP』。内容はLispの文法的なものだけではなく、人工知能での応用まで書かれている。Lispは学会誌とかを読んでいるといろいろなところで出てきている。人工知能では必須のプログラム言語らしいので是非習得したい。Lisp…

シーマン

というゲームをやってみた。オヤジの顔をした人面魚と会話するゲーム。ガゼー博士の実験島 シーマン~禁断のペット~同梱版出版社/メーカー: アスキー発売日: 2001/11/15メディア: Video Game クリック: 12回この商品を含むブログ (13件) を見る音声認識は単語…

Chatbot::Elizaのソース解読

ElizaのPerlスクリプトを読んでみた。まだ、Perlの文法で知らないところが多いので、細かいところはほとんどわからなかったが、どのように会話を作り出すかはわかった。あらかじめよく使われるパターンを列挙してリストが作ってあった。ユーザの入力の単語と…

Eliza

AIの分野で何か面白いものがないか探していたのだが、Elizaというのを見つけた。これも人工知能論でずーっと前に聞いたことがあるが、会話をするプログラム。Emacs、Mule、MeadowではM-x doctorで起動できる。ワイゼンバウムという人が1960年くらいに作った…

エージェントアプローチ人工知能

エージェントアプローチ人工知能 第2版作者: S.J.Russell,P.Norvig,古川康一出版社/メーカー: 共立出版発売日: 2008/07/10メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 485回この商品を含むブログ (17件) を見る3年の人工知能論の講義で参考文献の1つに挙げられてい…

ヒトの脳ができること

まとまってないけど、ひとまず考えたことを列挙。推論できる。予測できる。計算できる。学習できる。記憶できる。言語を使える。翻訳できる。会話できる。思い出せる。世界像を自己形成できる。自己組織化できる。概念を形成できる。曖昧さに対処できる。意…