カオスと偶然の数学
- 作者: アイヴァースピーターソン,Ivars Peterson,今野紀雄,高橋佐良人
- 出版社/メーカー: 白揚社
- 発売日: 2000/09
- メディア: 単行本
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確率理論は常識による推測と計算を結びつける。それは運を手なづけ、理性に従わせる。どうしても避けられない、知の及ばない深みをものともせずに、意のままにならない状況の気まぐれを屈服させる手段として、確率理論があるのだ。とはいえ、ランダムネスの無限の可能性のなかをうろついている興味深いパターンが人の心をかき乱す。ランダムネスとパターンは不思議な仕方で絡み合っている。そこに何かがある。何かが潜んでいるのだ。
pp.43-44
何があるんだろう?自由意志?
興味深いことに、ランダムネスやカオスや秩序の数学は、完全な確実性から何とか脱出できるかもしれない機会―決定論に支配された世界で自由意志を働かせる機会―を提供してくれる。実際われわれは、わくわくするような秩序と無秩序の相互作用のなか、先が読めず、だからこそ面白い状態に、永遠に宙吊りになっている存在に思える。この世はまったく理解できないほどクレイジーな世界でもないし、何も新しい発見がないほど予想できることばかりでもないのだ。
p.11
この世界が決定論的なものかはわからないけどコンピュータの中は確実に決定論的な世界だ。この指摘はコンピュータで自由意志を働かせる余地があるってことだろうか?まあどうやるかは今後のお楽しみだ。久しぶりに面白い本を見つけた。
関連リンク
- 擬似乱数(2002/10/19)
- 偶有性(2005/12/26)
- ランダムの中の規則性(2006/4/25)
- 予測可能な予測不能性(2006/5/29)