ランダムの中の規則性
偶然とは何か(2006/04/24)の続き。
第2章は『運命』。たとえば、コインを投げて表・裏のどっちが出るかは予測できないし、さいころをふって1〜6のどの目が出るかも予測できない。これらの試行を繰り返した結果はランダムだと考えられる。
前から疑問に思ってたのはランダムな現象でも確率は求められるってこと。たとえば、コイン投げでは表の出る確率は1/2、裏の出る確率は1/2。さいころはそれぞれ1/6と求められる。これって規則性じゃないの?*1
個々の試行の結果は予測できないけれど全体としては確率に基づいて予測することができる。何か不思議だ・・・*2
上記の本にこのことをよく表した一節があったので引用しておきたい。混乱してたけど整理できてきた。
決定論的モデル vs 確率論的モデル
要約しよう。わたしたちは極端から極端へと移ってきた。一方の端には、アルゴリズムにしたがって機械的に生成された数列がある。事情をよく知らない観測者にとってはランダムに見えることもあるが(決定論的カオスではそのようなことが起こる)、この数列のあらわす世界は完全に決定論的であり、過去から未来を予測することが原理的に可能である。
もう一方の端には、不条理な数列がある。その世界には意味というものがなく、規則のないことが唯一の規則であり、どんなに過去をさぐっても未来への手がかりはまったくつかめない。
ところが何と驚いたことに、そこに別の合理性が出現する。決定論的な規則をいっさい受けつけないこの世界が、確率論的な計算にはおとなしくしたがうのである。
『偶然とは何か』pp.92-93
エントロピーとの関係が面白かったのでまた今度まとめておきたい。