人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

幼児のコモンセンス知識研究会

幼児のコモンセンス知識研究会(リンク切れ)という人工知能学会の第二種研究会が発足している。2回目はなんとMarvin Minsky教授の講演があるらしい。

今年は1956年にマッカーシー、サイモン、ミンスキー、シャノン他の第一線の情報関連の研究者が人工知能(AI)について議論したダートマス会議が開催されて50年目にあたります。AI研究はコンピュータの進歩とともに、ニューラルネット、知識処理、情報検索などで若い研究者を魅了しながら発展し、最近ではロボットの研究が活発化しています。しかし、人間と柔軟にコミュニケートできる気の利いたロボットやヒューマンインタフェースを実現するためには、人間中心の視点で複雑で膨大なコモンセンス知識を計算機で扱うことが不可欠ですが、その基盤となる根源的コモンセンス知識の研究は手探り状態というのが現状です。

 幼児はナイーブであり、複雑な思考過程や行動が比較的ストレートに表出しやすいため、行動観察による自然知能のモデル化における格好の対象と考えることができます。幼児の行動や発話を観察することで、知能や言語の発達過程の解明を目指す研究の歴史は古く、ピアジェに代表される発達心理学の研究が知られています。その成果はパパートのLOGOなどのAI研究や、アラン・ケイの人間の創造力を拡張するダイナブックおよびパーソナルコンピュータの発案に多大な影響を与えました。

 このような観点から「幼児のコモンセンス知識」を旗印に、脳科学・言語学・発達心理学・知識処理・音声言語処理・ヒューマンインタフェース・医療・スポーツ・教育等の幅広い関連分野の研究者・実務家が気軽に集うことのできる「場」の形成を目指します。

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