アラン・ケイ
- 作者: アラン・C.ケイ,Alan Curtis Kay,鶴岡雄二
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 1992/04
- メディア: 単行本
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という本を読んでた。アラン・ケイの言葉は断片的に見聞きしてるが、どんな研究をしてたかはあんまり聞いたことなかったので知りたかった*1
- 顧客ニーズは聞かない(2005/6/2)
- 未来を予測する最善の方法(2005/7/20)
と関連してメモ。
マーケティングの人間というのは、主として外挿法に通じているが、二〇世紀にあっては、外挿法というのは、いたって信頼性が低くなってしまった。航空機も、写真複写機も、ポケット計算機も、ホームコンピュータも、外挿法では予測できませんでした。マーケティングの人間は、なにかというと、「あなたはなにがほしいですか?」と尋ねますが、返ってくるのは「わからない、どういうことだ?」という答だけです。(ちょうど日本人がそうしているように)実物を手にしたときにはじめて、ほしいかどうかがわかるのであって、そうなるまではわからないのです。
pp.131-132
むう、考えさせられる内容だ。そしてあの名言が出てくる。
実業界の人々は、何が起ころうとしているかをいつも聞いて回っている。ゼロックス社パロ・アルト研究所のトップの連中も、そのようにして私たちを絶えず悩ませていた。最後に、私は言ってやった。『未来を予測する最良の方法は、それを発明してしまうことだ(The best way to predict the future is to invent it.)』と。未来は、あらかじめ引かれた線路の延長上にあるのではない。それは、われわれ自身が決定できるようなものであり、宇宙の法則に逸脱しない範囲で、われわれが望むような方向に作り上げることもできるのである。
p.197
この本には、彼の代表的な4編の論文が収録されている。
- ダイナブックを提案した『Personal Dynamic Media』
- パーソナルコンピュータという言葉を生み出した『Microelectronics and the Personal Computer』
- ソフトウェア・オブジェクトやエージェントについて言及した『Computer Software』
- コンピュータを使った教育について語った『Learning vs. Teaching with Educational Technologies』
だ。それぞれ示唆に富んでいて読んでいて飽きない。特に『Computer Software』が面白かった。
*1:アラン・ケイは論文を書かない代わりに講演を積極的に行っていたようだ。その講演も文字にするのを断っていたため文書として残っていない。あんまり読んだことないわけだ・・・