電子図書館と司書機械
パーソナルライブラリアン(2005/5/9)と関連。
アラン・ケイ(2005/8/23)に読んでいた『アラン・ケイ』という本の浜野保樹さんの評伝に面白い記述があった。
あるとき、読書家のアラン少年は、あるSF小説に登場する機械に興味を持った。ロバート・ハインラインが1948年に書いた『深淵』という短編小説で、そこには次のような記述があった。
「知識の整理、取り出しやすさは、昔も今も変わらず、もっともスピードを必要とする問題だ。新人類については、完全に系統づけられた記憶がほとんどの問題を解決し、記録の保存や読み書きのほとんどを ―そして、とくに、読みなおして時間をむだにする面倒を― 不必要にしている。自動筆記用具は司書機械(ライブラリアン・マシン)と統合し、ファイリング・システムとして、その中にビルトインされた高速語のその部分を"聞く"ことができ、残りの問題のほとんどを解決した。新人類(ニューマン)たちは、数限りない書類の山に埋もれることはない。彼らは、決してメモをとらないのだ。
p.174
ハインライン?どっかで聞いたことある名前だと思ったら『夏への扉』の著者じゃないか。
- 作者: ロバート・A・ハインライン,福島正実
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/05
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話は変わるが、この本のダン・デイヴィスも技術者の鑑だ。何かアラン・ケイとイメージが重なる(笑)
話を戻すが上の『深淵』書かれた年を見て驚いた。1948年って・・・まだまともなコンピュータも無かった時代じゃん。その時代にこんなこと書いてる人がいるなんて驚きだ。SFは想像力を刺激するのですごくいい。
そのSFも実現が近づいてきている。近年では、電子図書館に関する研究がたくさん行われているようだ。本もいくつか出ている。
- 作者: 長尾真
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1994/09/22
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- 作者: 原田勝,吉田哲三,兼松芳之,津野海太郎,福嶋慎一,田屋裕之,長谷川秀記,吉田大輔
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 1999/07
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こういうことを研究するのは、図書館情報学という分野のようだ。暇を見て勉強してみたい。
現実の図書館ですぐ思い浮かぶのは(美人)司書さんだ。じゃ、電子図書館の司書はいったい何ができるのだろう?どんな機能が考えられるのだろう?すごく興味がわいてる。本がすべて電子化されれば*1、その電子データを使ってとんでもないことができそうな予感がする・・・その本の電子データを使って知識を「自動で」学習するエージェントは作れないものか。そういう研究はすでにないのかな。
ちなみに『深淵』は、
失われた遺産 (ハヤカワ文庫 SF 482 ハインライン傑作集 1)
- 作者: ロバート A.ハインライン,矢野徹,田中融二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1982/08
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に収録されているそうです。
*1:Googleの野望の1つと聞いたことがある。