人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

技術の種まき

必要は発明の母であるというけれど、そんなことは滅多にない。本当のすばらしい発明がたくさんの必要を生むのだ。

コーンバーグ(1950年代遺伝子研究でノーベル賞)

「必要は発明の母」って言ったのエジソンだったかな。これはニーズ主導って意味だろう。逆に「発明は必要の母」ってのはシーズ主導って意味だろう。世の中に強力なインパクトを与えた発明ってのはたいていシーズ主導だと思う。

  • インターネット

インターネットはもともと今のように使われることは想定されてなかった。

最初は軍事目的。核ミサイルである拠点が攻撃されても情報通信網が切れないように蜘蛛の巣上に回線を結ぼうとする研究から始まった。次は研究者の情報交換ツールとして電子メールやWebが流行。それが一般に広がって楽しいネットになる。その次は電子商取引がはやりだす。その次は・・・本当の意味での知識の源、人類の記憶になる。

  • コンピュータ

コンピュータも最初は軍事目的で今のように使われることは想定されてなかった。

最初は軍事目的。砲弾の経路を正確に速く計算する研究から始まった。チューリングテストで有名なアラン・チューリングも軍事用のコンピュータ開発に携わっていたようだ。次は科学用の大量計算や大学へのワークステーションの導入かな。次は工場のオートメーションとオフィスオートメーション。その次はアラン・ケイが予想したように個人がパソコンを持って楽しむ時代。その次は家電と連携、家庭内の中心装置になり、社会に広がりユビキタス。その次は・・・もちろん人工知能になる。

こんな感じ(じゃないとこもあるけど笑)である1つの発明が社会に膨大な必要を生み出すことがときどきある。私が好きなアラン・ケイの言葉。

パソコンの起業家らは巨万の富を手にしたが、もうけるのは彼らの仕事。その種を社会にまいてゆくのが科学者の仕事だ。

アラン・ケイ

至言。