人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

人間の人間的な利用

情報時代の見えないヒーロー[ノーバート・ウィーナー伝]

情報時代の見えないヒーロー[ノーバート・ウィーナー伝]

サイバネティクスの父、ノーバート・ウィーナーの伝記。サイバネティクスの創始者自身が自動化や機械化のもたらす破壊的な未来を警告し、労働組合などに対応を働きかけていたのがとても印象に残った。

人類が機械に、退屈で不快な作業を取り除かせるようにするのはいいことかもしれないが、そうでないかもしれない。私にはわからない。(中略)しかし、この新しい可能性が、市場や、節約できる金額という観点で評価されるのは、いいことではありえない。(中略)答えはもちろん、売ったり買ったりとは違う人間の価値に基づく社会を手にすることである。(中略)そんな社会に達するには、大いに計画し、大いに闘う必要がある。

ノーバート・ウィーナー、p.373

自動化や機械化によって生産性が上がり、利益が出ましたなんてのは本来手放しで喜んではいけないことなのかもしれない。そのプロセスで人間の人間的な利用を阻害していたらなおさら。

今の時代だからこそもう一度読んで考える必要のある本だと思った。

サイバネティックス―動物と機械における制御と通信

サイバネティックス―動物と機械における制御と通信

  • 作者: ノーバート・ウィーナー,池原止戈夫,弥永 昌吉,室賀 三郎,戸田 巌
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1962/10/25
  • メディア: 単行本
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発明―アイディアをいかに育てるか

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