経験の共有
X: 何かを勉強しているときはいい気分。でも知識を得るって本当に退屈なプロセスね。とくに徹夜で試験勉強したときなんて。それにどれだけ覚えているかも不確かだし。
K: これも人間の知能の弱点だ。コンピュータなら簡単に、しかも敏速に知識を共有できる。われわれには知識を直接共有できるような手段がない。人間同士のコミュニケーションとか教えたり学んだりのゆっくりしたプロセス以外にはね。
(中略)
K: 機械はそれぞれが蓄積した知識を簡単に共有することができるから、学習する機械は一台でいい。人間にはそんなことはできない。私が前に、コンピュータが人間レベルの知能に近づけば最後には追い越してしまうだろうって言った理由の一つはそこにある。
『スピリチュアル・マシーン』pp.155-156
大学で強化学習を並列分散化するという課題をやってたときに似たような現象が起きてなるほどと思ったことがある。学習結果を直接共有する方法とメッセージパッシングなどで間接的に共有する方法を比べると、直接共有したほうが学習効率がずっと高いという結果が得られたからだ。当たり前なんだけど、結構深い意味があるような気がした。時間があるときにまとめようと思う。