思い出工学
私事だけど23年間住んできた家がついに取り壊された。もうぼろぼろであちこち壊れてて建て直さないと危険なような家だったけどけっこう愛着あったなぁ。壊された残骸を見てると少し悲しくなる。
家の中には思い出があふれてた。柱の背比べの線、ドアにクレヨンで書いた絵、ふすまの穴、天井の雨漏り跡。家をあさるととうに忘れかけていたなつかしいものが山ほど出てきた。一つ一つに思い出がつまってて記憶がよみがえる。記憶はすべて脳に入っているけれどモノというトリガーがないと引き出せないみたいだ。
前に思い出工学という話を聞いたことがあったのだけれど、これに関する技術はとても重要になる気がする。
私たちは、「思い出工学」の名の元に、
- 私たちにとってどのような情報が思い出として貴重なのか
- 情報を思い出として保存するための工学的な支援の仕組み
についての研究をしています。家という閉じた空間から生まれる密な情報のやりとりを、現在・将来の情報技術を用いて他の人にとっても意味のある情報資源とするためにするべきことは何か、それを認知科学・情報科学の枠組みを手がかりにして探っていきます。
それにしても、なぜ人間に過去を記録する習性や過去を懐かしむような感覚があるのか気になるな。人類の思い出とも言える歴史が残されてきた理由や起源とも関係しているのかな?
関連リンク
- ライフログ(2005/5/11)