人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

ライフログ

人間は本来、記録を残したがる性質を持っているのだろうか?日記、写真、ホームビデオはもちろん近年のブログ人気もそれを示している感じがする。かくいう私も記録を残すのがすごく好きなメモ魔だ。

恋するプログラム(2005/5/7)に

別の機会に書こうと思うけど本はすごい。静的ではあるが記憶、思想、考えをこの世に残せるのだから。動的に残せたらさらにいいのに。

と書いた。記憶を動的に残す手法としてライフログが挙げられるだろう。

ライフログとはインターネットを生み出したDARPAの野心的なプロジェクト。個人の生活にかかわるありとあらゆる情報をデータベースに収集し、索引を付け、検索可能にし、「代理記憶」を作り出そうとする研究だ。代理記憶が作れるなら死後も動的な記憶が残せるということだ(ちょっと飛躍あるかな)。SFちっくだがある意味、不滅の精神が実現できることになる。そんなSFちっくな応用以外にもいろいろ使い道は考えられるだろう。

たとえば、パーソナルライブラリアン(2005/5/9)で書いた秘書エージェントやパーソナルライブラリアンを作る上でも必須の技術になる気がする。個人の嗜好を学習するシステムにも使えるし、ライフログをデータマイニングして自分に関する新たな知識を発見できるかもしれない。

ライフログの大きな問題はプライバシーだ。DARPAは軍機関なので個人情報把握によって市民の権利が奪われると考えられているようだ*1。私はプライバシー問題はあまり重大に考えてない。プライバシー保護技術は年々進歩しているからってのもあるが、もともと使いたい人は使い、使いたくない人は使わなきゃいいだけの話だからだ。リスク以上のリターンがあれば使いたい人も出てくるだろう。

DARPAが軍事目的で考案したインターネットがここまで広がったように、軍事利用が想定されているライフログもいずれ広がるかもしれない。記録を残したいというのが人間の基礎的な欲求なら大きなビジネスチャンスになるはずだ

*1:そもそも国家が名もない一市民の情報を知りたがるという状況がわからん(笑)自意識過剰ではないかい?