人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

フランケンシュタイン・コンプレックス

『人工生命の美学』という本を読んでいたのだが、そこにフランケンシュタイン・コンプレックスという面白い話が載っていた。

人工生命の美学―コンピュータがつくる新たな生態系 (キーワード事典)

人工生命の美学―コンピュータがつくる新たな生態系 (キーワード事典)


元は、SF作家のアイザック・アシモフが作った言葉らしい。アシモフのいうフランケンシュタイン・コンプレックスとは「人類は自分たちが創り出した怪物によって自分たちが滅ぼされるのではないかという恐れを常に抱いている」というもの。

このようなコンプレックスがあるために、人工知能を持ったロボットを創るとか、人工生命を創るという話をすると一般の人からは偏見の目でみられることが多いらしい。そういうのが人間に対して反乱を企てるということなんだろう。上の本からの引用。

また、万人が納得する人工生命や人造人間が技術的に可能になったとしても、それが人間に危害を加えるものになるとは限らない。ある若き倫理学者は、雑談の中で、ALが人間並みの知能を獲得したものならば、倫理観や思いやりも人間並みで、したがって、むやみに人間を殺戮はしないと考えるのが筋であるという意見を述べていた。人間がむやみやたらと犬や猫を殺しまくることはしないのと同じだ、と。

『フランケンシュタイン』というのは、メアリー・シェリーが1831年に書いた小説。今まで名前は聞いていたけど読んだことがなかったので文庫で買ってみた。

フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))

フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))

今まで、フランケンシュタインって怪物の名前のことだと思っていたのだけど、実は怪物を創った博士の名前だったんだ。へぇ〜。