人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

フェッセンデンの宇宙

人工生命―進化する

人工生命―進化する"ビットの生命たち"のふしぎ

まえがきから引用。

「人工生命は本当に生きているといえるのか?」

(中略)

この質問への最もよい回答は、創造物自身に尋ねてみることでしょう。彼らは自分が生きていると思っているでしょうか?彼らは自由意志をもっていると思っているでしょうか?彼らは「世界がどう始まったのか」とか「生物はどのように進化してきたのだろうか」などについて理論を作り上げたりするでしょうか?彼らは生命を作りたいと考えたりするでしょうか?

(中略)

いったい、私たち自身が全宇宙を巨大なコンピュータに埋め込んだような巨大シミュレーションの一部ではないと、誰がいえるのでしょうか?

この文章を読んだとき、昔読んだ『フェッセンデンの宇宙』という古典SFを思い出した。

フェッセンデンの宇宙 (全集・シリーズ奇想コレクション)

フェッセンデンの宇宙 (全集・シリーズ奇想コレクション)

フェッセンデンはコンピュータの中に人工的な世界を作り上げた。この世界は現実世界をシミュレーションしたもので、人工生命も住んでいて、コンピュータの中で私たちのように普通に生活している。フェッセンデンはその世界にとって神様みたいなもので、好きなことができるが人工生命たちはその存在を知ることはできない。

というような、話だったと思う。それで最後のおちが「実は私たちの現実世界もフェッセンデンによって作り出されたものかもしれない」というものだった。

すごい意味深な話だと思う。SF作家というのはすごいことを考え付くものだなと感心した。

この話の亜種はけっこういろんなとこに出てくる。たとえば最近読んだとこでは『ループ』も同じ筋書きだったし、手塚治虫さんや藤子・F・不二雄さんの短編でも出てきた。面白いテーマだもんね。

ループ

ループ