人工知能に関する断創録

人工知能、認知科学、心理学、ロボティクス、生物学などに興味を持っています。このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています。最近は、機械学習、Deep Learning、Kerasに関する記事が多いです。



複雑系

力学系とカオス入門を修了

ラブレス夫人も、バベッジに劣らずはっきりと気づいていたことであるが、解析機関の発明によって、ことに解析機関が「自分の尻尾を食べること」が可能になったときには、人類は機械化された知能をもてあそぶようになる。適度に複雑な再帰的システムはどんな…

L-systemで植物を描く

L-system入門(2013/11/26)の続き。前回は、L-systemで有名なフラクタルを描きましたが、今回は植物を描いてみます。植物を描くためには前回導入した記号に加えて次の2つの記号を新たに導入します。 [ : 亀の状態(位置と向き)をスタックにプッシュ ] : 亀…

L-system入門

今回は、植物の成長をモデル化したLindenmayer system、略してL-systemの実験をしてみます。ライフゲームと同じく非常に単純な規則から複雑な形状が発生する複雑系の興味深い例です。 L-system L-systemは、初期文字列と書き換え規則から構成されます。たと…

Complexity Explorer

ガイドツアー 複雑系の世界: サンタフェ研究所講義ノートから作者: メラニー ミッチェル,高橋 洋出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2011/11/25メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 23回この商品を含むブログ (15件) を見るこの本はComplexity Explorer…

ライフゲームの世界

ニコニコ動画の複雑系コミュニティの発起人のはむくんがライフゲームの世界というとても面白い動画を投稿されています。Twitterでは何度かツイートしてたけど完結したのでブログでも紹介させていただきます。 ライフゲームの世界1 John Horton Conwayが提案…

ラングトンの自己複製オートマトン

ついにやった!ループが自己複製をしている。 ラングトンの日記(1979/10/26) ラングトンの自己複製オートマトンは、ラングトン・ループ(Langton's Loops)と呼ばれます。ライフゲームと同じ二次元のセル・オートマトン空間上でループが増殖していきます。…

セルオートマトン

この宇宙が、天国にいるものすごいハッカーのコンピュータで動いているセルオートマトンでできていないという証拠はない とある研究者 今回からしばらくセルオートマトンの不思議な世界をふらついてみようと思ってます。セルオートマトンは、その名前のとお…

バタフライ効果

ロジスティック写像族と分岐図(2011/2/25)のつづき。「中国で蝶々が羽ばたくとアメリカでトルネードが起きる」というあれ。日本だと「風が吹けば桶屋が儲かる」かな?専門的には初期値鋭敏性と呼ぶようだ。カオス系において初期値のほんのわずかな誤差が、…

ロジスティック写像族と分岐図

クモの巣図法(2011/2/20)のつづき。今まで使ってきたロジスティック写像は、だった。このグラフのクモの巣図法とフィードバックループを回したときの関数出力値の変化は下のグラフのようになっており、初期値0.2からはじめると最終的に0.5に収束していた。…

クモの巣図法

指数的成長モデルとロジスティックモデル(2011/2/19)のつづき。ロジスティックモデルはどの初期値から始めてもフィードバックループをまわすと最終的に0.5に引き込まれることがわかる。この引き込まれる軌道を視覚的にグラフ化したのがクモの巣図法。まず…

指数的成長モデルとロジスティック成長モデル

今年は、カオスを本格的に研究しようという目標を立てた(2011/1/1)。基本から体系だって理解しようというわけで下の本を読み始めている。パターン認識と機械学習(2010/8/29)のときと同じく漫然と読むだけでは身につかないのでPythonで実装してみることに…

遺伝的アルゴリズムの紹介

2001年の勉強会で発表した遺伝的アルゴリズムの紹介資料です。HDDをあさってたら見つけたので一応記録。ほんのさわりです。最近の研究ではどこまで進展したんでしょうね?遺伝的アルゴリズムって複雑系と人工生命の文脈で捕らえるのが面白いのに、研究だとた…

新ネットワーク思考

新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く作者: アルバート・ラズロ・バラバシ,青木薫出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2002/12/26メディア: 単行本購入: 40人 クリック: 594回この商品を含むブログ (207件) を見る今年は複雑ネットワーク理論の原論文やサ…

ヒトデとクモ

ヒトデはクモよりなぜ強い作者: オリ・ブラフマン/ロッド・A・ベックストローム,糸井恵出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2007/08/30メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 202回この商品を含むブログ (35件) を見るヒトデはどこを切られても再生できる。クモ…

非線形科学

非線形科学 (集英社新書 408G)作者: 蔵本由紀出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/09/14メディア: 新書購入: 7人 クリック: 79回この商品を含むブログ (69件) を見る一通り読んだが難しくて理解できないとこ多数。この本は物理寄り。心はプログラムできるか…

確率モデル

今まで知らなかった面白い概念がいろいろあった。シミュレーションしてみると面白そう。後で実装予定。 コンタクト・プロセス パーコレーション ランダムウォーク 確率セルオートマトン 無限粒子系 複雑系を解く確率モデル―こんな秩序が自然を操る (ブルーバ…

カオスと偶然の数学

カオスと偶然の数学―ランダムネス、確率、そして複雑性へ作者: アイヴァースピーターソン,Ivars Peterson,今野紀雄,高橋佐良人出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2000/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (3件) を見る 確率理論…

機械的な自然

自然も機械も、人間の特有さとは対極にある。自然はおのずから作り上げられた機械であり、どんな自動機械よりも完全に自動化されている。 エリック・ホッファー 自然って機械の対極にあるような概念に感じるけど、自然の方が人間の造った機械よりずっと機械…

統計学入門

神の考えを理解する(2006/08/04)ために統計学(の基礎)を集中勉強。とりあえず下のテキストを使用してるのだけどわかりやすくていい。『はじめての統計学』は具体的な練習問題がうんざりするほどたくさんあって非常にいい。何かごりごりやってると身に付…

統計学を拓いた異才たち

統計学を拓いた異才たち―経験則から科学へ進展した一世紀作者: デイヴィッドサルツブルグ,David S. Salsburg,竹内惠行,熊谷悦生出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2006/03/20メディア: 単行本購入: 28人 クリック: 366回この商品を含むブログ (92件) …

無限の話

われわれの頭は有限だが、有限の状況でさえ、無限の可能性に取りまかれており、生命の目標は、この無限からできるだけ多くのものをつかむことだ。アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド 無限の話、p.151 無限の話作者: ジョン・D.バロウ,John D. Barrow,松浦…

真の乱数

自然界で真の乱数を発生できる現象って何があるんだっけ。自然乱数発生器ってのがあるみたいだけどどうやってんだろう。神は沈黙せず(2006/6/17)にこの世界が神の量子コンピュータによるシミュレーションでないことを証明する云々って話があった。例えば、…

The Wisdom of Crowds

日本語で言うと集団の知恵。「みんなの意見」は案外正しい作者: ジェームズ・スロウィッキー,小高尚子出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/01/31メディア: 単行本購入: 13人 クリック: 216回この商品を含むブログ (264件) を見る何かハウツー本に見えるけ…

共時性と因果の混乱

意味のある偶然(2006/6/3)の続き。 意味のある偶然はしょっちゅう起こっており、さまざまな形で現れる。このような現象はよく知られており、精神分析の先駆者であるカール・ユングは「意味のある偶然」を共時性という言葉で表現した。アーサー・ケストラー…

乱数と確率事象

意味のある偶然(2006/6/3)の続き。乱数と確率事象のサイトでサイコロ振りの同じような状況が検討されている。 しかしながら、どんな数の並びでもそれを「乱数」と呼べるわけではない。例えば、 a. 1111111111111111111111111111111111111111... b. 0123456…

混沌

秩序が知性を魅了するように、混沌は想像力を魅了するポール・クローデル 自然は混沌を創造の源泉として利用するウォルター・フリーマン 言いえて妙なり。

意味のある偶然

エントロピー(2006/5/14)の続き。サイコロを振って 1 3 6 6 5 4 2 2 1 3 4 5 ・・・ 1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 ・・・という2つの列が得られたときに上と下をエントロピーで区別できるのか疑問だった。両方とも各目の出る確率は1/6なのでエントロピーは1で…

予測可能な予測不能性

素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術 (PHP文庫)作者: 金出武雄出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2004/11メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 128回この商品を含むブログ (61件) を見る本箱に入ってた上の本をもう一度読み直してたら新…

エントロピー

ランダムの中の規則性(2006/4/25)の続き。偶然はつまりランダムだ。ランダムとは試行の結果が等確率で出現することだ。たとえば、サイコロは1〜6は全部等確率の1/6で出現するからランダムな現象だ。コインを投げたときに表も裏も1/2で出現するからランダム…

複雑系入門

複雑系入門―知のフロンティアへの冒険作者: 井庭崇,福原義久出版社/メーカー: NTT出版発売日: 1998/06メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 60回この商品を含むブログ (26件) を見る複雑系という分野をもう少し体系的に知りたいと思い紹介されてたこの本を読…

ランダムの中の規則性

偶然とは何か(2006/04/24)の続き。第2章は『運命』。たとえば、コインを投げて表・裏のどっちが出るかは予測できないし、さいころをふって1〜6のどの目が出るかも予測できない。これらの試行を繰り返した結果はランダムだと考えられる。前から疑問に思って…

偶然とは何か

何の因果関係もなく、予期しない出来事が起こるさま広辞苑 偶然とは何か―北欧神話で読む現代数学理論全6章作者: イーヴァルエクランド,Ivar Ekeland,南條郁子出版社/メーカー: 創元社発売日: 2006/02メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 21回この商品を含む…

ストレンジアトラクタ

決定論的カオス(2005/11/21)の続き。コメントにあるku__ra__geさんに教えてもらった図を描いてみた。ロジスティック方程式において横軸にaを縦軸にx(81)〜x(100)をプロットしたグラフ。初期値 x(0) は0.3とした。このグラフはロジスティック方程式の定常状…

多様性=組合せ爆発

多様性を生み出すコツについて。組合せ爆発、指数関数、NP完全は人工知能の分野で恐れられている概念である。解かねばならない問題がこの性質を持つとき人は恐れおののき絶望にとらわれる・・・っていうのは冗談。組合せ爆発ってあんまりいい意味じゃない感…

なぜ世界は予測できないのか?

複雑性とパラドックス―なぜ世界は予測できないのか?作者: ジョン・L.キャスティ,John L. Casti,佐々木光俊出版社/メーカー: 白揚社発売日: 1996/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 26回この商品を含むブログ (1件) を見るこういう本を探していたのだ。 …

偶有性

「脳」整理法 (ちくま新書)作者: 茂木健一郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/09/05メディア: 新書購入: 1人 クリック: 39回この商品を含むブログ (147件) を見る久しぶりに面白い本を読んだ。本を読むときに(自分にとって)面白い・新しいことが書い…

決定論的カオス

ロジスティック方程式でパラメータaを4にするとカオスができるみたいなのでやってみた。青い線が初期値 x(0)=0.1 で、赤い線が初期値 x(0)=0.1000001 のグラフ。こんな簡単な形の方程式なのにこんな複雑なグラフになるのは面白い。しかも、初期値を0.0000001…

ランダムウォーク

いま、1000人の酔っ払いが終電の終わった東京駅にいるといよう。ここで、酔っ払いたちは、有楽町方面と神田方面にいっせいに歩き出した。この時、ひとりひとりの確率は、1歩ごとに、左右どちらの方向に動く場合も1/2とする。すると、始電が動き出すときにど…

ネットワークが創発する知能

人工知能学会誌の特集で『ネットワークが創発する知能』という特集が組まれてた。6次の隔たり(2005/3/27)で書いたようにスモールワールドネットワークに興味があったのでざっと読んでみた。代謝系、遺伝子、経済、交通システム、インターネット、P2Pなどの…

サルとシェイクスピア

復活の呪文(2005/4/6)の続き。ドラクエの復活の呪文のパターンは10の36乗と気の遠くなるほど多い。だが、そのうち正しい(ゲームを再現できる)呪文はほんの一部だ。もし呪文を間違えたときはおなじみのあのフレーズが出てくる。じゅもんがちがいますこう…

復活の呪文

すごく不思議だったことがある。昔のファミコンのゲームはパスワードでゲームの記録を行っていた。たとえば、ドラゴンクエストというゲームでは、ゲームの状態(主人公の名前、レベル、強さ、所持アイテムなど)を記録するために復活の呪文というのがあった…

ネットワークの安定性

平等主義と貴族主義(2005/4/4)で、スモールワールドネットワークには、各ノードがほぼ同数のリンクを持つ平等主義的ネットワークとあるノードに多数のリンクが集まる貴族主義的ネットワークがあると書いた。ではこの2つのネットワークの安定性はどうなるだ…

平等主義と貴族主義

複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線作者: マーク・ブキャナン,阪本芳久出版社/メーカー: 草思社発売日: 2005/02/25メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 188回この商品を含むブログ (157件) を見るもうすぐ読み終わる。非常に面白い話題が多…

インターネットとWWWにおけるスモールワールド構造

複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線作者: マーク・ブキャナン,阪本芳久出版社/メーカー: 草思社発売日: 2005/02/25メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 188回この商品を含むブログ (157件) を見るの5章を読んだ。インターネット(ホストのネ…

6次の隔たりの数学的証明

6次の隔たり(2005/3/27)の続き。ミリグラムは6次の隔たりを確かめるために手紙を使った社会学的な実験を行っている(6次の隔たりのキーワードリンク参照)が、6次の隔たりを数学的に証明するという試みもあるそうだ。キーとなるのはグラフ理論。人をノード…

6次の隔たり

複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線作者: マーク・ブキャナン,阪本芳久出版社/メーカー: 草思社発売日: 2005/02/25メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 188回この商品を含むブログ (157件) を見る この地球上のだれでも、たった六人分、隔た…

複雑系

入院中にあまりにも暇なので、複雑系―科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち (新潮文庫)作者: M.ミッチェルワールドロップ,Mitchell M. Waldrop,田中三彦,遠山峻征出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2000/05メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 45回こ…

擬似乱数

前から思っていたのだけれど、擬似乱数って不思議に思う。疑問点は、コンピュータの決定的なアルゴリズムでどうやって乱数(に似たもの)を生成するのかということ。決定的な手続きでランダムな数(といっても本当にランダムではないから擬似なのだけど)を…

森羅万象解き明かす

最近、更新をさぼっていたけどまた再開することにした。ちょっと古いが8月20日の読売新聞に面白い記事が載っていた。ウルフラムという人が書いた『A New Kind of Science』という本についてでその内容が興味深い。A New Kind of Science作者: Stephen Wolfra…

スモールワールド現象

R. Alvertらは、WWWの(N=)8x10^8ページのリンク関係を調べ、ネットワークの直径を求めた結果、D=18.59と報告している。これは、任意の2ページ間を19クリックで到達できることを意味している。このように、ネットワークの要素数Nと直径Dのオーダに、O(D) …