人工無脳まとめ
人工無脳について全体的なことをまとめています。
人工無脳
人工無脳は会話プログラムのことです。チャットのように文章を入力して会話します。人工知能の究極の目的の1つは人間のように会話するプログラムですが、人工知能ほどシリアスなものではないため人工無脳(人工無能)という名前が付けられています。人工無脳は何か面白い会話してくれれば何使ってもいーやというように「会話の面白さ」を追究する立場に立っています。
- 人工無脳(Wikipedia)
Eliza
海外ではchatbotと呼ばれて研究が行われています。人工知能研究の初期にワイゼンバウムという人がEliza(イライザ)という会話プログラムを書いたのが始まりとされています。Elizaは非常に単純な規則しか用いてないのに多くの人が「これは人間だ」と思い込んでしまったほどだと言います。
日本語版のElizaも作られてました→Eliza日本語版。
チューリング・テスト
アラン・チューリングという偉い人が、「人間がプログラムと対話してそれがプログラムだと分からなければそのプログラムは知能を持っていると判断しよう」と提唱しました。今でもチューリングテストにパスできるような会話プログラムを作ろうとコンテスト(The Loebner Prize in Artificial Intelligence)が開かれています。
まだパスしたプログラムはないそうです。ALICEというプログラムがかなりすごいレベルだそうですが・・・プログラムに女性の名前付けるのは製作者の趣味ではなくてElizaの伝統だと思いますよ、たぶん。
- チューリング・テスト(Wikipedia)
日本語の状況
日本語は英語と違って単語と単語の間に区切れがないので解析がむずかしかったのですが、近年、優秀な形態素解析エンジンが登場したおかげで問題が解消されはじめています。形態素解析とは文章を単語にばらすことです。
日本語の人工無脳だとうずらというのがすごいです。かわいさで他の追随を許さないかも・・・
- 人工無脳は考える - 人工無脳に関する考察がたくさんあり参考になります
エージェント
人工知能の分野ではエージェントと呼ぶ研究分野があります。非常に抽象的な概念でいろんな定義があるんですが、私は人間の役に立つ自律型プログラムみたいなイメージで捉えてます。別の言葉で言うと電子秘書。これも人工知能の究極の目的の一つとされています。
これは少し堅苦しいので役に立ってさらに面白い、エージェントと人工無脳を合わせたようなプログラムが作りたいなぁと昔から思ってました。
似たような概念のものにデスクトップアクセサリーというのがあってすでにいろいろ作られています。会話を楽しみながらメールチェックやスケジュール管理など簡単なタスクをこなしてくれます。
- 「伺か」の基本(リンク切れ) - 趣味じゃないけど使われている技術に興味があります。
- ぱらちゃん - かわいいけど会話がつまらない
人工無脳の基本
人工無脳プログラムは、ユーザの入力メッセージを受け取り、処理し、応答メッセージを生成し、ユーザに返します。
この過程を繰り返すことで会話が生まれます。人工無脳が一方的にメッセージを送る形体のプログラム(たとえば、くーまん(2006/12/8)もありますが、やっぱりこちらの言い分も少しは聞いてもらいたいものです。ユーザの入力文をいかに処理して、いかにそれらしい応答文を生成するかがプログラマーの一番の腕の見せ所となります。
- どこでもいっしょのトロみたいにいくつかの選択肢から選ばせるという手もありだと思います。
人工無脳の構成
考えられる大まかな構造をまとめてます。他にも何かないかな。
基本型
こちらがメッセージを打ち込むとひとつメッセージを返してくる一番基本的なタイプ。Elizaはこのパターン。
一方向
向こうから一方向的に話しかけてくるタイプ。くーまんはこのパターン。
辞書更新
会話の最中に辞書を更新していくタイプ。
情報提供
インターネットにアクセスする能力を持ち、ユーザに情報を提供するタイプ。ニュース情報とか教えてくれると面白そうかも。
嗜好学習
会話を通してユーザの嗜好を学習するタイプ。質問は選択肢という手が簡単か?どこでもいっしょのトロはこのパターン。