人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

Soar

コンピュータゲームはAIのキラーアプリ(2003/12/21)で

  • J. Laird: Human-level AI's Killer Application: Interactive Computer Games

という人工知能とコンピュータゲームに関する論文を読んだ。そのLaird氏だがなんとSoarアーキテクチャ研究の第一人者でもあることがわかった。

Soarアーキテクチャは、人工知能の創設者の一人、故 Allen Newell 氏を中心に「一般知能に対するアーキテクチャ」として提案された。人工知能と認知科学を不可分のものとして扱い、学習機能を備えた汎用問題解決器とされている。

Soarを初めて知ったのは前に人工知能のサーベイをしていたとき。人工知能学会誌1994年7月号にSoarプロジェクトの特集が組まれている。そのときは、へぇという感じであまり興味がわかなかった。けど!一般知能に対するアーキテクチャ・・・何か知っておかないといけない気がする。

というわけで、Soarプロジェクト(リンク切れ)のWebサイトからThe Soar 8 Tutorialってのダウンロードして読んでみた。チュートリアルということでゲームを例にとって説明している。読みやすく面白い。

Soarの主な機構はプロダクションシステム(if-thenルール)のようだ。典型的な記号処理システムって感じがする。しかし、状態・行動を扱い、問題空間を探索するってところは強化学習によく似ている。Soar自体はかなり古いみたいだが、今読んでいるチュートリアルが2003年に書かれた(Laird氏が著者)ものだし、まだ研究が続いているようだ。