15周年記念
2017年2月21日で人工知能に関するブログ(というか自分のWebサイト)を初めてから15周年を迎えます。基本的に飽きっぽい性格ですが、こんなに続いたのは読んで応援してくださったみなさんのおかげだと思います。ありがとうございます!
ここら辺で15年を振り返ってみるのも面白いんじゃないかと思いインターネットアーカイブを掘り起こしてまとめてみることにしました。個人的な話なのであんまり興味ないかもしれないですけど(^^;
/tmp(2002年~)
「全世界に公開できるWebサーバ立てたよ。みんな何か書いてみよう!」みたいな話があって書き始めたのがきっかけです。研究室に配属されたてだったのでこれからやる研究の履歴をまとめていこうかなと思っていました。あと文章を書くのが苦手だったので抵抗をなくそうという趣旨でした。当時はHTMLファイルを書いてFTPでアップロードという時代だったのでとってもシンプルなページでした。タイトルも/tmpとか超適当でした(笑)
下のような感じで読んだ本や論文、勉強した内容などをつらつら書いていました。当時はバイオインフォマティクスを勉強していたので生物系の内容が多かったです。
レポートはこんな感じ。このときは、教授や研究室の同僚や後輩向けに書いていて学外からアクセスが来ているとあまり意識していなかったですね・・・
上の絵でGAの調査というのはこれです。
研究履歴(2003年~)
そこそこ履歴が書き溜まってきたので/tmpという超適当なタイトルはやめて研究履歴に変えました。バイオインフォマティクスは何か違うと思ったので、やっぱり前から興味があった人工知能や機械学習やりたいと無理言ってテーマ替えしました。
このときは、ニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズム、強化学習といったいわゆるソフトコンピューティングをやりたいと思っていました。最終的に生物の学習にもっとも近いと惹かれた強化学習の領域を選びました。
強化学習の基本的なアルゴリズムやタスクをJavaアプレットで実装して公開していったのがこの時代です。当時は今ほどネット上に参考資料がなくてSuttonさん(まだある、すごい!)が公開していたLispのプログラムをJavaでグラフィック付きで再実装していました。そのときのアプレットはJavaでゲーム作りますが何か?(2004/9/18)に移植して残してあります。
このアプレットの公開からカウンターが急上昇してかなり怖気づいた覚えがあります(笑)
あとこのころに人工知能研究のサーベイを徹底的にしました。図書館にこもって人工知能学会誌を1986年のVol.1、No.1からすべて読破しました。「エキスパートシステムってつまんないなぁ」とか愚痴ってた覚えがあります(笑)朝から晩までこもってたので今でも図書館の本の匂いを思い出します(あとかわいかった司書のお姉さんも)。
サーベイをしながら分野間の関係を把握するために上のような図を書いていました。まあ今見てもけっこう妥当じゃないでしょうか?分野の流行り廃りはありますけど新しくできた分野ってないような・・・
所属研究室が並列分散処理をやっていたこともあってpthreadやMPIの勉強もしていました。そのせんで強化学習の並列分散化に関する研究を始めました。あまり満足のいく結果は出なかったけれど何とか卒業させてもらいました(笑)
2005年3月31日の卒業とともにWebサイトの更新は終わりました。卒業式で事前に何にも知らされない状態でいきなり名前を呼ばれて表彰されたのはいい思い出です。Webサイトで役に立つ情報を公開していたことに対する表彰でした。同時に表彰された二人が学内で超優秀な有名人だったので自分だけ「誰だよあいつ」状態で公開処刑されてるみたいですごく恥ずかしかった(笑)
スクリーンショットは2004年3月23日(更新停止)になっているけど2005年の間違えだ・・・
Javaでゲーム作りますが何か?(2004年~)
人工知能でゲームの研究というと当時はチェス・バックギャモン・将棋・碁などの知的ゲームがメインでビデオゲームは人工知能の研究対象ではありませんでした。
人工知能と強化学習のサーベイをしている中で人工知能のビデオゲームへの応用は今後重要になると確信して興味を持ち始めました。これ以上テーマを変えるのは許されなかった(笑)ので片手間で研究していました。かの人工知能の名付け親ジョン・マッカーシーでさえレミングスでゲームAIの研究してたんだよ!これはやるっきゃないでしょ。ファミコン世代ということもありビデオゲーム大好きっ子だったので飛びつきました。
ただ当時はOpenAI Universeのような整った環境があるはずもなく、そもそもゲームってどうやって作るんだ?状態でした。そんなわけでJavaで基本的なゲームを一通り作ってみようと始めたのが「Javaでゲーム作りますが何か?」です。
当時は(今も?)ゲームはC++で作るのがセオリーでJavaみたいにくそ重い言語で作るなんて馬鹿じゃないの?という風潮があったのでこんなタイトルになりました(笑)ゲームを要素に分解して徐々に作り上げていく解説スタイルが珍しかったのかかなり好評でした。12年前のコンテンツですが、今でもこのブログのアクセス数で断トツ不動の1位です。
当時はこんな感じでHTMLでソースコード書いてました。コメントの色を緑にするのすごく大変だったな(^^;
人工知能に関する備忘録(2005年3月~)
大学に残してきた研究履歴はいい思い出なので全部消すのはおしいということで、卒業とともに内容をコピーしてはてなダイアリーに引っ越しました。このときのタイトルは今とちょっと違って「人工知能に関する備忘録」というタイトルで始めました。
今も使っているハンドルネームaidiaryはこのときから使っています。人工知能に関する日記だからaidiaryと本当はサイト名でした。これも超適当(笑)最初のブログのスクリーンショットはアーカイブされてなかった。残念。
A.I.に関する備忘録(2005年5月~)
ちょっとタイトル変えてみようということで一時期気まぐれで変えました。
人工知能に関する断想録(2005年12月~)
なんかしっくりこないということで人工知能に関する断想録に変更しました。
断想録というのはあまり聴かない単語かもしれませんがオリジナルではありません。えらい人が何人か「断想録」というタイトルの本を書いています。
このタイトルは私が人工知能に惹かれたきっかけであるマービン・ミンスキーの「心の社会」にあやかっています。今はまだ関連がはっきりしない断片を積み上げていって、最後に全体として統合されるようなブログにしたいなと壮大な野望を抱いてこんなネーミングにした覚えがあります。まだ道半ばです(^^;
このブログのテーマは一見バラバラだけど上の記事で書いたように一応自分の中では筋を通しています。
Deep Learningを始めたのもこの筋の一環です。Deep Learningで画像・音声認識精度が○○%上がりましたという段階では見向きもしなかったのですが、モーダル(言語・画像・音声)の統合と機械による創造が実現できそうだというあたりで非常に興味を持ちました。
人工知能に関する断創録(2012年1月~)
2012年1月1日はブログを初めて10周年記念ということでタイトルを今も続いている「人工知能に関する断創録」に変えました。今までは技術がなくてただ想像していることが多かったけれど、これからは創造のフェーズに入りたいという希望をこめています。まああくまで希望です(^^;
このブログの略歴はこんな感じ。
人工知能は情報科学最後のフロンティアで一生かけても極められない未踏の領域です。今後もライフワークとして興味の赴くままに楽しくやっていこうと思います。