火星の人類学者
火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)
- 作者: オリヴァーサックス,Oliver Sacks,吉田利子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/04
- メディア: 文庫
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って本を読んだ。さまざまな脳の障害を持った人々と著者のオリヴァー・サックスの交流を描いたエッセイ。「見えて」いても「見えない」という話が一番興味深かった。
生まれながらの盲人が、手で立方体と球体を識別することを学んだとする。そのひとが視力を取り戻したとき、触らずに・・・どちらが球体でどちらが立方体か見分けることができるだろうか。
火星の人類学者、p.169
経験主義者ロックは、この質問にNOと答えたそうだ。またバークレーは、視覚と触覚は必ずしも関連がなく、両者の関係は経験によって成り立ちえると結論づけたと書いてあった。一方、形でなく色は学習せずともはじめから認識できるそうだ。これはかなり不思議であまり想像もつかないが事実多数の患者で確かめられたことらしい。
ロボットで視覚と触覚の連合を学習で獲得するような研究はされてそうだな。