Functional Integration using Simulated Environment
未来の二つの顔(2005/10/13)の続き。
つまり、われわれは機械にどうすれば常識を持たせられるかを知ろうとしているんだ。赤ん坊は、生まれた時には、自分がいる宇宙やそこに共存する他の物体の基本的性質については、何も知らない。持っているのは、いくつかの特定の経験を通して一般的概念を形成することのできる、基本プログラミングだけだ。そこで、大きくなるにつれて、経験から学ぶことができる。われわれがやっているのは、機械にこの種の基本プログラミングを提供する方法を開発することだ。
未来の二つの顔(p.51)
これを検証するためのシステムがFISEとPROPS。FISEは人工知能エージェントで、PROPSは現実世界にそっくりな仮想空間をシミュレートするシミュレータだ。FISEはPROPSの世界で行動し、常識を身につけていく。シムピープルとかザ・シムズというゲームをもっと高度にして人工知能研究に使っているイメージ。
このアプローチは聞いたことある。Return to the Blocks World!(2005/09/16)で紹介した論文に提案されている方法にそっくりだ。積み木の世界のような単純だが現実世界を反映したシミュレーション環境を作ってその中で常識の実装について研究していこうというアイデア。ここにミンスキー氏のアイデアが入っているっぽいけどこんな昔(1979年)から考えてたんだなと感心した。
ビデオゲームをプラットフォームとして使うという話も論文に書かれていた。そろそろFISEとPROPSが実現に近づいているのかもしれない。