無意識下の能力の涵養
- 作者: 立花隆
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1984/03/19
- メディア: 新書
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私がこれまでたびたび、本を読むときノートなどとらずにどんどん読みすすめとか、意識して本を読まなくとも漫然とページをくるだけでも意味があるなどといってきたのは、この故である。あまりごちゃごちゃ心配しなくとも、人間の全体験は、必ずその人の無意識層に刻印を残し記憶されていく。
(中略)
無意識に記憶されているものは、読んだり、書いたり、聞いたり話したりするときに、自然に意識の上によみがえってくる。それは、別に分類整理はされておらず、ただ無意識の記憶の海の中に、ごった煮的に放り込まれているだけである。それなのに、何かが真に必要とされるときは、目的のものが自然に出てくる。
「知」のソフトウェア、pp.154-156
これは鋭い指摘だと思った。私は、高校生までは本を読むときノートを取りながら読んでた。重要なところを紙に筆写しながら読んでたのだ。かなり几帳面に。とんでもなく時間がかかるのは言うまでもない。
かなり面倒くさくなったのでそのうちノートは全く取らずに付箋をはさむ程度にとどめてとにかく大量に読もうと心がけるようになった。最近になって、上に書かれていることが理解できるようになってきた気がする。
たとえば、こういうブログでなんか書くときも「そういえばあの本にこんなこと書いてあったな」とか勝手に浮かんでくるのだ。思い出そうとせずともごく自然に。それどころか自分の意見として自信を持って書いたことが、かなり前に読んだ本に書かれていたなんてことまであった。人間の記憶は不思議なものだ。
ただそれでも無意識だけに頼るのは不安に感じる。だから特に重要だと思ったことはブログとかメモに書いて残しておく。それがブログを書く理由の1つだろうな。
ちなみにはてなダイアリーを選んだのは、日記を本にしてくれるサービスがあるから。バックアップはとってあるけど、電子データだけってのもやっぱり不安だからなぁ。電子データは「存在しない」ものだし。