ソフィーの世界
- 作者: ヨースタインゴルデル,Jostein Gaarder,池田香代子
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 1995/06
- メディア: 単行本
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素晴らしい本を見つけた。西洋哲学史をやさしく解説した本。物語風になっていて文体も柔らかくわかりやすい。確か昔ベストセラーになってたような気がする。
西洋哲学の重鎮がひととおり解説されているが、ハイデガー、ウィトゲンシュタインには触れられてない。この2人を知りたかったんだけどな。
- 哲学のエッセンス(2005/4/26)
デカルトの章では身体と心の二元論にからめて人工知能にも軽く触れられている。文章中では人工知「脳」って誤植されてるけど。
「今はよく人工知脳って聞くけど」
「現代の自動人形だね。ぼくたちは、本当に思考しているんじゃないかと思うような機械をつくった。もしもデカルトが見たら、きっとパニックを起こしただろうな。人間の理性は彼が考えたほどに自由で独立しているんだろうか、と考えこんだにちがいない。」p.308
デカルトは理性を人間の特質として重んじていた。しかし、現在の人工知能(?)でも理性的な処理を(一部だが)実現できてしまう。複雑な計算をしたり、数学の定理を証明したり、チェス*1をしたり・・・むしろ人間の理性的な処理は実装が簡単で、逆に人間のあいまいで感覚的な処理の方が実装が難しいと言われている。
理性は人間の専売特許ではなかったってことですかね、デカルトさん。
*1:西洋ではチェスは理性的なゲームだと考えられている