人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

可能な知能(intelligence-as-it-could-be)

可能な生命(life-as-it-could-be)(2004/08/05)の続き。

人工生命の定義の「生命」の部分を「知能」に置き換えたらどうなるのか試してみよう。

人工知能とは、自然界の人間に特徴的であるような振舞いを示す人工システムに関する研究である。計算機やその他のメディアにおいて知的な振舞いを合成・総合することを試みることによって、人間の分析・解析を専ら行っていた従来の典型的な心理学(認知科学)を補完する。人工知能は、「我々の知っている知能(intelligence-as-we-know-it)」を「可能な知能(intelligence-as-it-could-be)」という大きな絵の中に位置づけることによって心理学(認知科学)に貢献する。

面白いと思ったのは「我々の知っている知能」「可能な知能」という言葉が出てきたところ。「我々の知っている知能」は人間の知能(推論、自然言語、認識、学習など)だろう。じゃ、人間の知能以外の「可能な知能」というのはどういうものが考えられるか? 従来の人工知能(記号処理型)も人の知能とは根本的に異なるけれど「可能な知能」の一つの形態として認められるだろう。人の知能にこだわると記号処理型は失敗に見えるけど人にこだわらなければ人にない特徴を持った人とは異質の知能とも見られるんじゃないか?

現在は人間並みのAIを作るには身体性が必要であると考えられ、ロボットを用いたAIの研究に移行している。しかし!ヴァーチャル空間だけに存在できるソフトのみの「人間とは異質の知能」もまだまだ捨てがたいんじゃないか?何か面白いことのできる余地がまだ残ってないか?人間の知能にこだわらなければひょっとして・・・