連想機械アソシアトロン
連想の情報処理モデルは海外と日本で同時期に出された(Nakano, Kohonen, Andersonなど)。その中で、日本の中野馨さんが提案したものはアソシアトロンと呼ばれる。ヒトの連想機能はまだよくわかっていないが、中野さんは連想を次のように定義した。
計算機の記憶装置のようなアドレスは一切なく、積み重ねて記銘されている多数の記憶事項のうち、アドレスを指定するかわりに、任意の記憶事項の一部分を入力すると、その事項の全体を思い出すような機能。
そして、アソシアトロンは、
従来の記憶装置のような記憶事項ごとに場所を割り当てるようなやり方とは異なり、各事項を装置全体に分散させて記銘する。
ことができる。原理は以外に単純(といっても数学的には奥深いんだろうけど)で、「相関行列」というものを使う。実際に、行列を計算してみたところ、本当に部分から全体を求めることができた。どうしてこんなことができるのか不思議な気がしたが、相関行列の性質を調べてみないとわからない。
まだ、いろいろと問題があるみたいだが、応用も広そう(概念形成、言語の自然発生のモデルなど)に感じた。想起の仕方も曖昧性を受け入れるなどヒトに近いと思われる。今度は、プログラムを書いて実験してみたい。Kohonenさんが考えたのも原理としては同じらしい。