人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

ニューラルネットと記号処理

ニューラルネットは、従来の人工知能が不得意としている分野、すなわちパターン理解、音声認識、類推、連想などを得意としているが、人工知能が得意としている記号処理は不得意と言われる。よって、従来の記号処理中心の人工知能ニューラルネットは相補的な関係にある、という話を読んだ。しかし、相補的であってよいのだろうか?

ヒトの脳は、原始的なパターン理解、音声認識の上に、ヒト特有の(もしかしたら違うかも知れないが)高度な記号処理能力(言語理解、論理、推論など)を持っている。ヒトの脳は全部超複雑なニューラルネット(っぽいもの?)だけでできているはずだから、ニューラルネットが脳のモデルと主張するには、ニューラルネットだけで記号をも扱えるようにならなければいけないことになる。ニューラルネットと記号処理を結びつける研究は行われていると聞いたことがあるが、どうなっているのか。

ニューラルネットで行われている連想記憶の研究は、自分が知っている範囲では、画像の一部から全体、または、ノイズの入った画像から元の画像のように画像処理が中心になっている。しかし、自分が想像していた連想記憶はそういうのではなくて、意味ネットワークのような記号、意味、属性に基づくものだった。ニューラルネットの連想記憶でそういうのはできるのだろうか。その前に、ニューラルネットで記号を扱うにはどうしたらよいかというのが問題か。