Mendeleyで論文管理
今まで読んだ論文の管理にはJabRefというフリーソフトを使ってきたのですけどMendeleyというWebサービスに乗り換えることにしました。非常によいサービスだと思うのでちと紹介します。
Mendeleyは主に論文を管理するWebサービスです。ブラウザからもアクセスできるのですが、Mendeley DesktopというWindows, Mac, Linuxで使えるデスクトップアプリケーションもついています。ローカルで論文を登録してもWebと同期できるので複数のPCからも使えて大変便利です。インタフェースはすべて英語ですが日本語論文の登録も問題なくできます。起動すると下のような感じになります。
Webインタフェースは下のような感じです。洗練されています。
論文の登録
手元にPDFがある場合は、そのファイルを登録すると論文リストに追加されます。その際、PDFのテキストを解析して(あまり精度は高くないですが)タイトル、著者名、概要、論文誌などの情報が自動的に抽出されます。登録時にACM Portal, CiteseerX, IEEE Xplore, CiNiiなど主要な論文ポータルサイトを検索してページ数や発行年なども自動的に補完されます。有名どころの論文誌や国際会議の論文は大体カバーできてるようですが、古い論文、マイナーな国際会議の論文、日本語論文とかはあまり補完されない感じです。自分の論文とかね(ボソッ)その他にWeb Importerというブラウザから登録できるスクリプトもあり、上記のポータルサイトから直接インポートすることもできます。PDFはローカルにも置いておけますが、サーバーにアップロードすることもできます。アップロードしておくとどのPCでも閲覧できて便利です。ただ、現状では500MBまでという制限があります。さらに大きな容量はComing soonとのこと。たぶん、有料になるのでしょう。
論文の閲覧
論文のPDFはMendeleyのビューアで閲覧できます。
論文を読みながらマーカーを引けたり、メモを書けたり、タグをつけられたり、概要をまとめられたりといたれりつくせりです。フルスクリーンにして読むこともできます。私はモニターで読むと目が痛くなるたちなので紙に印刷することが多いですが、人によってはビューアだけで完結できそうですね。自分で追加したアンダーラインやノートは自動保存されます。
論文の検索
My Libraryでは論文をCollection(カテゴリみたいなもの)に分類できます。お気に入り、自分の論文、国際会議ごと、テーマごと、今書いている論文で引用予定など自由自在に管理できますね。また、著者やタグでフィルタリングすることもできますし、全文検索ももちろんあります。これだけ充実してればあの論文なんだっけってこともなくなりますね!
その他もろもろ
もちろん選択した論文をBibTeX形式でエクスポートする機能もついているのでTeXで書いた論文に引用もできるし、サーバー側のデータが吹っ飛んでもバックアップになって安心です。概要、タグ、ノートはBibTeXにも出力されています。ただ、PDFに直接書き込んだノートはPDFには保存されていないっぽいです(Mendeley Viewer上では表示されるけど、Acrobatで開くと見えない)。また、これが目玉だと思うのですがWebサービスという強みをいかしたソーシャル機能もついています。研究者同士で交流とかできるし、今どんな論文が注目されているのかもわかります。まだベータ版ですが、かなり完成度が高いです。研究するのが楽しくなってきますね。