受動意識仮説
- 作者: 前野隆司
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/11
- メディア: 単行本
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この本の概略は最後のエピローグがよく表しているので引用。
心の地動説。自分とは、外部環境と連続な、自他不可分な存在。そして、「意識」はすべてを決定する主体的な存在ではなく、脳の中で無意識に行われた自律分散演算の結果を、川の下流で見ているかのように、受動的に受け入れ、自分がやったことと解釈し、エピソード記憶とするためのささやかで無知な存在。さらに、意識の中で最も深遠かつ中心的な位置にあるように思える自己意識のクオリアは、最もいとしく失いたくないものであるかのように感じられるものの、実は無個性で、誰もが持つ錯覚に他ならない。
p.230
工学系で脳に興味のある人は上のように考えている人多くないかな?私もこの人の考え方に共感する。後半の永遠の命は可能か?は反対だけど。
茂木さんの本は読んだことがあるけどはっきりいってクオリアってあまりピンとこない。この分野を議論する人はみんなクオリアの概念を共有しているのかな?
そういえばちょっと前に茂木さんが前野さんと対話したという記事がありましたね。
- 「プライベート」から「普遍」に至る
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- 作者: 前野隆司
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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