人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

脳に学んだ情報処理手法の開発に向けて

脳に学んだ情報処理手法の開発に向けて(リンク切れ)っていうシンポジウムを聞きに行った。セッション2の強化学習のところが一番よくわかって面白かった。他は・・・あんまり理解できなかった。なんかミクロ(神経細胞レベル)とマクロ(脳の器官モデル)、脳科学・神経科学と人工ニューラルネットの発表が入り乱れていて少し混乱した。

浅田さんの「階層型強化学習機構によるロボットの行動生成」って話が興味深かった。前に強化学習のサーベイをやったのだけど、実は重大なのが抜けているのが判明した。それが階層型強化学習って分野。強化学習は学習に非常に時間がかかるそうで単一学習器で普通にやってたら収束しないらしい。そこで、複数の学習器を階層構造にして、上の階層では大まかに下の階層では細かいところという風に学習するらしい。川人さんの研究でも使われているようで、複雑な行動を学習する上で必須の重要分野なんだなと感じた。

他に面白かったのは、「可塑的ネットワーク型オートマトンと進化的ルール生成 自己複製機能の創出」って発表。脳と何の関係があるのかよくわからなかったけど興味がわいた。

前にライフゲーム作った。こういうのはセルに分かれているのでセルオートマトンと言われている。一方、この発表で出てきたのはグラフオートマトンというもの。状態遷移則の他にグラフ書き換え則があり、ネットワークの「構造」を変化させることができる。そして、この書き換え則を19ルールつなぎ合わせると、グラフの複製ができることをデモで示していた。細胞分裂みたいで感動した。フォン・ノイマンやラングトンのセルオートマトン上での自己複製に比べてより簡単なルールで実現できることを主張していたようだ。