マッチ箱の脳(AI) 使える人工知能のお話
- 作者: 森川幸人
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2000/12
- メディア: 単行本
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この本は森川幸人さんというゲーム業界の人が書いた本で他の人工知能の本とは一味違う。内容としては、遺伝的アルゴリズム、ニューラルネットワーク、ホップフィールドネットワーク、エキスパートシステム、遺伝的プログラミング、強化学習法、Lシステム、ゲーム理論、人工生命、カオスなんかがイラスト入りでわかりやすく紹介されている。ニューラルネット、遺伝的アルゴリズム、強化学習法がマッチ箱とマッチを使って直感的に説明されているところと、テレビゲームにこれらのアルゴリズムをどう応用するかが具体的に書かれている点が特徴的だった。
自分が特に面白かったのがAIのアルゴリズムをどうテレビゲームに応用するかというところ。森川さんは実際にこれらのアルゴリズムをゲームに応用して販売している(『アストロノーカ』には遺伝的アルゴリズム、『がんばれ森川君2号』にはニューラルネット。このソフトは聞いたことあったがやったことない。今度ためしにやってみるか・・・。)
ゲーム業界ではAIという名前のつくものが使われているらしいんだけど、どうやらただの乱数らしい。ちゃんとした(?)AIのアルゴリズムは計算量、メモリが大きすぎてテレビゲームでリアルタイム処理ができないと説明されていた(前に某掲示板でAIがゲーム業界でどう使われているか聞いてみたことがあったが、そのときも同じ理由でほとんど使われてないという解答だった)。森川さんはゲームのバックグラウンドで計算させるなど、苦労して実装したらしい。これからゲーム機はもっと高性能になるだろう(並列計算機になるとか!)から、AIのアルゴリズムを使って何か面白いことができそうな予感がする。今のAIは大規模な実問題への適用は難しいけど、エンターテインメントなら大丈夫という話も聞いたことあるし(AIBOの例もある)。人工知能は宝の山(2002/11/10)にも書いたけど、これは金づるだろうか?簡単にいくわけないが・・・