人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

ヌメンタ(Numenta)

考える脳 考えるコンピューター(2005/4/11)の続き。

ASCII 5月号*1にジェフ・ホーキンス氏の記事『ジェフ・ホーキンスが脳を作る』が載っていた。ヌメンタと名付けられたプロジェクトが紹介されている。どんなものか興味があったのでわくわくしながら読み始めたのだが・・・

ヌメンタのアプローチは、従来のAIとは根底から異なっている。ヌメンタ・ソフトウェアを実行するコンピュータは、従来のコンピュータのようにプログラミングされることはない。子どもが外界を観察することで学ぶように、ヌメンタに内蔵されたアルゴリズムは、マシン自らが観察から学ぶことを可能にする。
p.96

根本ってほど異なってないような・・・ロボットの分野では認知発達ロボティクス(2005/3/20)とか流行ってるし。問題はどのくらい汎用性があるかかな?

ヌメンタによって可能になるアプリケーションが書いてあった。下のようなもの。

  • X線映像の解釈および安全監視
  • 工場機械の故障予測
  • チップ工場における生産性の改善
  • 竜巻や株価の予測
  • 自動操縦自動車
  • 石油や天然ガスの探査
  • Eコマース用推奨エンジン
  • さまざまな科学上の課題
  • 宇宙の神秘の解明

機械学習とかデータマイニングとかは無視ですか。ここに挙げられているのはほとんどデータマイニングのアプリケーションとして研究されていると思うのだけれど。それにしても宇宙の神秘の解明って・・・

後半に階層的一時記憶システム(HTM: Hierarchical Temporal Memory system)というキーワードが出てくる。これはなかなか興味深いなと思ったのだけれど何か説明を読んでいると今までの機械学習と何が違うんだろうと思ってしまう。

今までのコンピュータと違って「プログラミングする必要がない」としきりに強調されてるんだけれど、単なるパラメータやモデルの学習でなく、アルゴリズム自体を学習できるってことなのかな?だったらすごいなぁ。

一般紙だから誇張があると思われるのでWebサイトをじっくり読んでみたい。何にしてもこういう動きが出始めたので将来が楽しみだ。

関連リンク

*1:他にも検索の野望など興味深い記事が多いので面白かった