夢見の技法
- 作者: スティーヴンラバージ,Stephen LaBerge,大林正博
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2005/04
- メディア: 単行本
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よくあることだが、眠っているとき、いま目の前に現れているのはただの夢だと伝える何かが意識の中にある
アリストテレス、p.25
明晰夢(2006/9/12)の続き。夢の中で目覚める方法が書いてある。
とりあえず今日は前半の章を読んだ。明晰夢が怪しげな超心理学から科学になるまでの軌跡が描かれている。明晰夢自体はけっこう昔から知られていたけれど、科学的に解明できるようになったのは20世紀後半、結構最近のことなんだな。夢を研究していた研究者自身も明晰夢を見たことがないとのことで疑う人が多かったようだ。
明晰夢の存在を証明した方法が面白い。夢を見ている間は筋肉が弛緩しているため身体は動かせないが、急速眼球運動(REM)が可能なように眼だけは動かせる。筆者らは
- 夢の中であらかじめ決めておいたとおりに眼を動かしてください
という方法で明晰夢の存在を証明したらしい。明晰夢を見ている人は夢の中で自分の思い通りに行動できるためだ。これはけっこうすごくて夢の世界から現実世界にコンタクトを取れたことを意味する。他にも
- 眼で合図してから歌ってください
- 眼で合図してからXXXしてください
など眼の合図とその後の身体の反応を記録してその存在を証明できたようだ。さらにすごいのが夢と現実の時間間隔の調査だ。夢の中の時間が現実と同じ尺度で流れているのかを調査するために
- 眼を動かして合図してください
- 10数えてください
- また眼を動かして合図してください
という方法で夢の時間尺度と現実の時間尺度がほぼ一致することを確かめたのだ。明晰夢を見ることがまれな上に計測器を付けて待機してなくちゃいけないとのことでかなり苦労したそうだ。
さあ後半はいよいよ夢見の技法についてだ。