ロボット化する子どもたち
ロボット化する子どもたち―「学び」の認知科学 (認知科学のフロンティア)
- 作者: 渡部信一
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2005/11
- メディア: 単行本
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
ロボットと自閉症児(2003/9/6)の続き。この著者は、子どもの教育、自閉症児の訓練、人工知能/ロボットの学習を関連付けて論じている。けっこう納得できるアナロジーで面白い。
- 知識を覚えることが中心の知識偏重教育
- 行動を一つずつ教えていく自閉症児の訓練
- ロボットの行動規則のプログラミング
は教え込み学習と呼び、以下の共通の問題点があるという。
- 教えたことしかできない、自発性がない、応用がきかない
- 予想外の状況に対処できない
近年のロボット学習では、認知発達ロボティクス、身体性重視、環境との相互作用重視へとパラダイムシフトを起こしていることにヒントを得て、子どもや自閉症児の教育にも同様のパラダイムシフトが必要だという。具体的には模倣、環境の持つ教育作用、技の継承などしみ込み学習と呼ぶものが重要だと論じている。実際に自閉症児の訓練に適用して大きな成果を得ているようだ。