意味のある偶然
エントロピー(2006/5/14)の続き。サイコロを振って
1 3 6 6 5 4 2 2 1 3 4 5 ・・・ 1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 ・・・
という2つの列が得られたときに上と下をエントロピーで区別できるのか疑問だった。両方とも各目の出る確率は1/6なのでエントロピーは1で一致するはずだ。エントロピーが1の場合、それはランダムな現象なので上と下はともにランダムな現象だ。だけど下は人間の目で見るとランダムとはとても思えない。これってどういうこと?
って思ってたのだけどヒントが得られた。結論から言うと自然のランダムさと人間の感じるランダムさは違うってこと!(ほんと???)エントロピーは自然のランダムさの尺度だ(ほんと???)。
現実の世界では、たとえば裏が三回連続するのは、裏が二回と表が一回という場合と同じ確率だ。問題は我々がランダムさとパターンのなさを混同しているというところにある。我々はランダムな結果をパターンの欠如とみなしがちである。我々は裏が続くとパターンが発生したものと想像してしまう。このパターンをくずすようなコインの投げのみがランダムということなのだと誤ってしまうわけだ。
『セレンディピティ・マシン』pp.24-25
人間はランダムさのなかにパターン(規則性)を見出すという能力を持っている。自然はランダムに振舞っているつもりでも人間はそこにパターンを見出しランダムとはみなさない場合がありえる。先のサイコロの例はその1つだ。下も上と同じランダムな現象なのに規則性を見出してしまう・・・
じゃ、人間の感じるランダムさを測る尺度って何だろう?エントロピーよりこっちのほうが重要な気がする。
ちょうどよいタイミングでヒントが得られたのはまさにセレンディピティの賜物だな。
関連リンク
- ランダムの中の規則性(2006/4/25)