人間ものがたり
- 作者: ジェイムズ・C.デイヴィス,James C. Davis,布施由紀子
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
またよい本を見つけた。若い読者のための世界史(2005/03/26)以来のヒット作だ。石器時代から現代までの人間の歴史。カエサルにまったく言及しないのに名もない人物が詳しく紹介されていたり、アジアにかすかな偏見が感じられたり、第2次世界大戦のアメリカの行動を正当化したり結構偏りが見られるがそれらを覆すほど面白い。題名にもあるように歴史をものがたりとして捉えているからだと思う。
第22章「成功の陰に」で日本の成功の原因について言及がある。少し長いけど引用。
日本の成功要因のひとつは、頭のよさである。日本人は工場の組み立てラインにいち早くロボットを導入し、石油(輸入していた)の使用量を四分の三に切り詰め、アメリカの品質管理技術を模索した。かつては日本製と言えば粗悪と相場が決まっていたが、広く世界に通用する高品質の製品が産み出せるようになったのである。
日本人の労働者が勤勉で、十分な教育を受けていて、ロボット工学や高度なエレクトロニクス、コンピュータなど、新技術に対応できる力を身につけていたことも役に立った。彼らは勤務先の会社に忠誠を尽くし、会社のほうも終身雇用を約束することが多かった。会社への献身は、愛国心と密接にかかわっていた。
p.508
日本の成功は技術にある。そして失敗の原因はマネーゲームにある。これからの日本も技術が支える。マネーゲームはすっこんでろ。たかだか10年ちょっと前の歴史をもう忘れているのだろうか。
- 人口減
- 少子高齢化
- ニート増加
- 日本の製造業の強み
- アメリカのソフト独占
- 欧米との文化の違い
などなどを考えると日本の主力産業としてロボティクスはふさわしい。ロボットと人工知能を高度な労働力として活用する。日本車が世界を席巻したように今度は鋼鉄の意志が世界を席巻するのだ。
と少しハイになって妄想を語る。
関連リンク
- ロボットの技術動向—特許情報から見た開発動向と今後の方向性—(2002/11/09)
- 「ロボット大国」推進へ専門大学院(2005/06/06)