人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

Return to the Blocks World!

ダートマス会議再び(2005/08/14)の続き。

かつての人工知能研究は、常識を持つ機械の創造という大野望のもとに進められたが、近年はその目標が忘れ去られ各分野が独自の道を歩んでいる。これからの人工知能研究は各技術を統合するメタ理論を構築する必要があると上の論文では述べられていた。

この統合を行うための戦略の1つとして挙げられていたのが、Return to the Blocks World(積み木の世界へ戻れ)だ。

Blocks Worldってのは積み木の世界と呼ばれる小さな仮想世界のこと。昔の人工知能研究はこの世界のみでうまく動くプログラムを開発してきたため、現実世界に応用できず全く役に立たないと批判の対象となった。

ではなんでメタ理論の構築に積み木の世界に戻る必要があるのだろう?著者の1人、Push Singh 氏によると常識を持った機械を作るには目標をはっきりさせるため具体的な問題領域を議論したほうがよいとのこと。積み木遊びは単純なように見えるが人のさまざまな能力、心の領域(Mental Realms)を必要とする奥深いタスクと言っている。統合を目指すメタ理論の研究には絶好の対象なのだ。

続く。

ちなみにこのブログではメタ理論に関する話題はアーキテクチャに分類してます。知能アーキテクチャ(Intelligent Architecture)とか心のアーキテクチャ(Mind Architecture)という感じでアーキテクチャという言葉を使ってます。