人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

ダートマス会議再び

面白い論文があったので紹介したい。

M. Minsky, P. Singh and A. Sloman: The St. Thomas Common Sense Symposium Designing Architectures for Human-Level Intelligence (PDF), AI Magazine, 25(2), pp.113-124, 2004

この論文では、人工知能の将来と今後の指針について常識を中心に議論している。結構長い論文なので重要なところだけ順々と整理していく。

かつての人工知能は常識を備えた機械の構築という目標を持っていた。しかし、近年の研究はこのような野心的な目標を避け、ある特定の問題領域だけでうまく働くような技術に限られてしまった。人工知能の今後の方針としてこれらの技術を統合する方法を開発するべきだというのが要旨だ。

確かに人工知能の研究は細分化が進み、全体を見渡すことは非常に困難になっている。かつての目標を取り戻すには細分化された分野を統合する必要がある。そのためにどういう方針を取ればよいかがこの国際会議で議論されたようだ。

別にダートマス大学で開かれた会議じゃないけど・・・ダートマス会議に値するほど重要な指摘がなされていると思う