人工知能に関する断創録

人工知能、認知科学、心理学、ロボティクス、生物学などに興味を持っています。このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています。最近は、機械学習、Deep Learning、Kerasに関する記事が多いです。



ネットワークの安定性

平等主義と貴族主義(2005/4/4)で、スモールワールドネットワークには、各ノードがほぼ同数のリンクを持つ平等主義的ネットワークとあるノードに多数のリンクが集まる貴族主義的ネットワークがあると書いた。

ではこの2つのネットワークの安定性はどうなるだろうか?安定性とはノードを1つずつ除去していったときにスモールワールドをどの程度保てるかという意味である。

私は最初あるノードに多数のリンクが集まる貴族主義の方が不安定だと考えていた。インターネットとWWWにおけるスモールワールド構造(2005/4/1)。なぜなら、多数のリンクが集まっているノード(コネクターorハブと呼ばれる)を破壊したらそこに集まってるノードがばっらばらになっちゃうから。

だがそうではないようだ。貴族主義的ネットワークの方がはるかに安定だということがシミュレーションで証明されている。一般的にノードの故障はランダムで生じるかららしい。

貴族主義的ネットワークは数少なく重要なコネクターノードが故障してしまう確率が低い。そのため、コネクター同士のリンクが保たれ、スモールワールドは崩壊しない。一方、平等主義的ネットワークはどのノードの重要性も同じなのでランダムに故障すると急激にスモールワールドが崩壊してしまう。

インターネットとWWWは貴族主義的ネットワークの代表例である。ランダムな故障にはめっぽう強く、スモールワールドは保たれ安定している。ただ、ランダムな故障ではなく、サイバーテロのようなコネクターへの意図的な攻撃にめっぽう弱いという弱点も指摘されている。どっちにも強い最適なネットワーク構造ってあるのかな?

この理屈はインターネットだけでなく、生態系のネットワークにも応用できる例が示されている。抽象化することでいろんな応用ができることに感動した。