人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

記号とパターンの統合

ニューラルネットと記号処理(2002/6/20)とかいう題で考えたことの記録があった。ニューラルネットと記号処理を結びつけるような研究は行われているのか?という疑問だったのだが行われていることがわかった。

今、「記号とパターンの統合」という授業を取っているのだが、その授業の松山泰男教授はそれを追求しているらしい。この授業で使っている教科書で記号とパターンの統合について触れられている。プリントなので本の題名がわからないんだけど引用してしまう。

シンボリズムとの結合

ニューラルネットワークが行う学習は、帰納学習(inductive learning)の仲間であるとされている。ただし、ニューラルネットワークの学習は、準記号的(subsymbolic)であり、通常の人工知能における推論学習は記号的(symbolic)である。単純な考えの下に準記号的情報を記号処理しようとしたり、あるいは逆に記号データを準記号的手法で処理しようとすると、その処理系は極めて能力が不十分になったり、あるいは計算効率が著しく劣化する。ところが「知能の代行」に相当する高度な知的情報処理は、まさに準記号と記号の両者にまたがってそれらを行き来する形になる。両者の結合系に対する探求は、多くの人々の目指すところであるが、まだ成果は少ない。

(中略)

準記号と記号にまたがる柔軟な記号については [麻生 88] において、そして準記号的人工知能と記号的人工知能の結合系についての議論は [Minsky 91] において展開されている。[甘利 89] は、両者にまたがる早くからの展望を与えており、その意味するところが深い。

  • 麻生:ニューラルネットワーク情報処理, 産業図書, 1988.
  • M. Minsky: Logical versus analogical or symbolic versus connectionist or neat versus scruffy, AI Magazine, Vol.12, pp.35-51, 1991.
  • 甘利:神経回路モデルとコネクショニズム, 東京大学出版会, 1989.

資料が随分古い。松山先生がおっしゃってたけど記号とパターンの統合は難しく、現在でもまだ終わっていないそうだ。ニューラルネットの最新動向はほとんど知らないけど現在どうなっているか興味ある。