人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

教師あり学習

機械学習には、2つのタイプがある。1つ目は教師あり学習、2つ目は教師なし学習である。

教師あり学習にもいろいろなタイプがあるが、共通しているのは教師が例を与えることによって機械に学習させるという点である。この学習の目的の一つに分類がある。これは、教師が与えた例を機械が正確にクラス分けできるようにするのが目的である。この教師は人間でもよいし、プログラムでもよいのだが、正解(次の場合は、例がどのクラスに分類されるか)を知っている必要がある。

教師:では機械、この例1はクラスAに分類される。覚えなさい。
機械:ハイ、先生。分カリマシタ。
教師:よろしい。次この例2はクラスBに分類される。覚えなさい。
機械:ハイ、先生。分カリマシタ。
教師:例3はクラスC。
機械:ハイ、先生。分カリマシタ。
教師:例4はクラスB。
機械:ハイ、先生。分カリマシタ。
教師:例5はクラスA。
機械:ハイ、先生。分カリマシタ。
……
教師:例999はクラスC。
機械:ハイ、先生。分カリマシタ。
教師:よし、そろそろ勉強は終わりにしよう。

のように書くのも疲れるような機械的な処理が延々と続けられる。この結果、機械は何を学んだのか?ただ、例とクラスの対応を記憶しておくだけなら人工知能とはいえない。なんと、機械は、与えられた例の集合からそのクラスの特徴を抽出し、各々のクラスの概念を学ぶことができるのだ。そのため、次のようなことができる。

教師:この機械はずいぶん賢くなったな。では、問題。この例1000はどのクラスに分類される?
機械:(計算中)クラスBデス、先生。
教師:正解!

学習過程で例1000は与えていないのにも関わらず、機械は分類できる。これは、学習過程で例とクラスの対応をただ記憶していたのではなく、例からクラスの概念を学べたことを意味している。よって、これ以後は、新しい例でも分類を正しく行うことが可能になる。このような学習は教師あり学習の中の例からの学習、帰納学習、概念学習などと呼ばれる。