人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

慣れ

それまで出会ったことのない刺激が提示されると、生体はそれに対して注目し、新しい状況に対処できるように、心拍の減少、汗腺の反応、四肢の血管の収縮などを含む一連の生理的変化を伴った全体的反応を示す。これは定位反応と呼ばれる。一方、同じ刺激が繰り返し提示されると、こうした反応は次第に減少する。これが慣れである。
記憶と学習(p.46)

この慣れという反応は無脊椎動物でも見られて、高等動物と共通した脳内メカニズムがあると考えられているらしい。次に、パブロフの犬でおなじみの古典的条件付けという話も載っているのだが、これらは、コンピュータでモデル化できそうに思った(たぶん、もうされているだろうけど)。

今まで、ニューラルネットはパターン認識の使い道しか知らなかったのだが、プロダクションシステムみたいに知覚を入力として、最適な行動を出力するようなニューラルネットの使い方もあるかもしれない。そして、同じような知覚入力が何度も来たら、ある行動が出力しやすいように回路を変化させる。そして、2つの知覚入力が来たら、それらを連合させて条件反射みたいなこともできるかもしれない。たぶん、どこかにあるだろうが面白そうだ。

こういう分野の話を読んでいると、何かに応用できそうだと思うことが時々ある。何だか宝の山のようにも思える。その"何か"を見つけて、理論化、体系化するのはすごい難しいだろうけれど。その点、遺伝的アルゴリズム(GA)を体系化したHollandさんは、すごいと思う。その態度は、見習いたい。