人工知能に関する断創録

このブログでは人工知能のさまざまな分野について調査したことをまとめています(更新停止: 2019年12月31日)

Eliza

AIの分野で何か面白いものがないか探していたのだが、Elizaというのを見つけた。これも人工知能論でずーっと前に聞いたことがあるが、会話をするプログラム。Emacs、Mule、MeadowではM-x doctorで起動できる。

ワイゼンバウムという人が1960年くらいに作ったのが始まり。本当は決まりきったパターンを返すだけなのに、まるで人間のように会話するということが広まりAIに対する過度の期待を人々に与えてしまったといういわくつきのプログラムらしい。ワイゼンバウムはこの結果に困惑し、なぜ人々はこんなものに人間性を感じるのか考えたといわれる。

今、自然言語処理の授業をとっている(一回目から休講だったけど)が、その話に結びついている。その中身がどうなっているのか知りたかったのでWebで探し回り、ソースリストを見つけたのだが、Perl(Chatbot::Eliza)またはLispで書かれていたため読めなかった。

Elizaはたいしたことないプログラムらしいが、さらにAlice(どうして女性の名前がついてるんだ?)というのがある。これはより高級で過去の会話の内容を記憶しておくらしい。より普通の会話ができる。なかには、チャットしていて相手がプログラムだということに気が付かない人もいるらしい。こういうプログラムはさらにたくさん書かれていて、チューリングテストの大会にも出場するらしい。いったいどういう技術を使っているのか気になる。たぶん知識処理、学習、推論、自然言語処理などAIの中心となっているものがたくさん使われているんだろうけど。

チューリングテストに批判的なAI学者は多いと聞いたことがある(中国語の部屋の批判など)。多分それは正しいと思う。チューリングテストに出てきるようなプログラムはいかに人間を騙すかというテクニックに偏っていて、知能を表現しているとは言い難いらしい。でも見方を変えると、ヒトはどんな振る舞いに人間らしさを感じるかという心理学的に面白い話題になるだろうし、チューリングテストにパスするくらいならいろいろ実用できるんじゃないか。

前に富士通へデータマイニングの見学(2002/2/21)に行ったときに、新聞のデータベースに自然言語で質問できるシステムを見せてもらったことがある。これがWebでできれば面白いと思うがまだ実用はされていないのだろうか。Googleではまだ無理みたいだし、ほかの検索エンジンでも知っている範囲ではできるのはないように思う。Elizaが自然言語で応対し、Webからデータを学習して利用するようなプログラムはできないのだろうか。